2025
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現実空間の散歩によるゲーム制作ノウハウの確立

大学美術館

スマートフォンに搭載されているLiDARスキャンによって現実の街をスキャンし、その断片をゲームエンジン上で再構築する散歩型ゲーム作品。プレイヤーは実際の歩行を通して、かつて存在した街や失われた記憶を追体験する。ゲームのステージは本来、PC上で作られることが多いが、本作品では現実の街を歩きながら作られたマップにより構成される。スマホカメラのスキャンによって得られたデータは都市の完全な再現ではなく、欠落やノイズを含んでいる。LiDARという記録技術を単なる保存手段ではなく、過去と現在、現実と仮想を接続する媒介として用い、都市の心理的・地形的断層を浮かび上がらせる。歩くこと自体が鑑賞行為となり、プレイヤーは都市の中を彷徨いながら、自身の記憶や身体感覚と街の記憶を重ね合わせていく。

アーティスト/プロジェクト

坂根大悟

大宮市出身。映像作家。都市愛好家。学習院大学文学部史学科卒業。東京藝術大学大学院映像研究科修士2年。リサーチを元にその土地の歴史や物語をメディアに落とし込み「逃げ道」としての歴史を探究。客観が求められる歴史をどう主観的に作品化していくのかCGや映像ゲームを用い実践する。

MORE WORKS

ARCHIVE

過去の展示作品を アーカイブとして まとめています。

   

芸術未来研究場は、人が生きる力であるアートを根幹に据え、人類と地球のあるべき姿を探求するための組織として2023年4月に創設されました。閉じた施設としての「研究所」ではなく、様々なプレイヤーが集い、つながり、社会に開かれたアートを実践し、未来を共につくっていく場だから「研究場」と名付けています。
 
東京藝術大学は、伝統の継承と新しい表現の創造のための教育研究機関であると同時に、アートの未来を常に考え、様々なステークホルダーと共に社会を形づくる主体でもあります。アートの礎である「いまここにないものをイメージする力」は、世界を変え、未来をつくる力です。これまでにも、学部、学科、研究室単位では様々な学外の組織との協働がありましたが、今後は全学横断的にこれを推進していくことで、企業・官公庁・他の教育研究機関との連携を強化し、社会の様々な領域におけるアートの新たな価値や役割を増やしていきます。
 
また、こうした連携を実践する基盤として、芸術未来研究場では次の6つの領域を設定しました。


[ケア・コミュニケーション]

医療、福祉や地域コミュニティをはじめとするWell-beingな社会づくりにおけるアートの社会的価値を探求します。

[アートDX]

デジタル技術やICT技術を活用した教育研究を推進し、アートの可能性を拡げます。

[クリエイティヴアーカイヴ]

多様化する表現手法に対応した、アートの保存・継承と、新たな創造への活用に関する研究を推進します。

[キュレーション]

対話と協働を通してアートと現代社会との関係性を紡ぎ上げる人材の育成と実践研究を行います。

[芸術教育・リベラルアーツ]

東京藝大における教育のあり方を探究しながら、より幅広い対象に芸術教育を拡げ、地域や年齢、社会的属性に関係なく、誰もが自身の人生の中にアートを感じられる社会づくりを推進します。

[アート×ビジネス]

教育研究成果の社会実装・事業化を推進し、芸術産業の創出・発展に寄与します。


これらが互いに領域の枠を超えて混じり合い、芸術と社会の未来を切り拓く新たなプラットフォーム「芸術未来研究場」が、今ここからはじまります。