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ケア&コミュニケーション
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I LOVE YOUプロジェクト
記憶の地図シアター
大学美術館
「記憶の地図シアター」は、認知症の非薬物療法である回想法を、映像/演劇をツールとして実践するものです。
認知症回想法は、長期記憶である昔の出来事や感情を思い出し、それを言葉にしたり、相手の話を聞いて刺激を受けることで脳が活性化することをねらった療法であり、これまで認知症者の活動性等の向上や自発語の増加が促され、認知症の進行の予防となる他、介護者のWell-beingなどに有意な改善効果が報告されています。
「記憶の地図シアター」は、認知症者に、個別固有の過去についての出来事や体験についてヒアリングした上で、特に「家事」や「こどもの遊び」など多くの認知症者に共通するであろう日常の普遍的な「記憶」に着目し、それらをテーマとした演劇/映像作品を認知症施設で上演する演劇プロジェクトです。上演前のヒアリング自体が、回想法の実践であるだけでなく、上演後には、認知症者と対話の場を持つことで、認知症者の発語を引き出すなど、より医学的な効果が高い手法を探りながら展開していきます。
I LOVE YOU採択企画:日常の所作を通して記憶の迷宮に触れる ー演劇/映像による認知症回想療法の実践
ケア&コミュニケーション領域
石山友美、平井亨季、佛願広樹、藝大の学生たち
代表の石山友美は、昭和期に各家庭で撮影された8ミリフィルムを活用した認知症の回想法/刺激療法の研究を行ってきました。「記憶の地図シアター」はこれまでの研究成果をもとに、映像に加えて実物のものや身体表現を取り入れることで、医学的により大きな効果を期待し始動しました。
MORE WORKS
ARCHIVE
過去の展示作品を アーカイブとして まとめています。

芸術未来研究場は、人が生きる力であるアートを根幹に据え、人類と地球のあるべき姿を探求するための組織として2023年4月に創設されました。閉じた施設としての「研究所」ではなく、様々なプレイヤーが集い、つながり、社会に開かれたアートを実践し、未来を共につくっていく場だから「研究場」と名付けています。
東京藝術大学は、伝統の継承と新しい表現の創造のための教育研究機関であると同時に、アートの未来を常に考え、様々なステークホルダーと共に社会を形づくる主体でもあります。アートの礎である「いまここにないものをイメージする力」は、世界を変え、未来をつくる力です。これまでにも、学部、学科、研究室単位では様々な学外の組織との協働がありましたが、今後は全学横断的にこれを推進していくことで、企業・官公庁・他の教育研究機関との連携を強化し、社会の様々な領域におけるアートの新たな価値や役割を増やしていきます。
また、こうした連携を実践する基盤として、芸術未来研究場では次の6つの領域を設定しました。
[ケア・コミュニケーション]
医療、福祉や地域コミュニティをはじめとするWell-beingな社会づくりにおけるアートの社会的価値を探求します。
[アートDX]
デジタル技術やICT技術を活用した教育研究を推進し、アートの可能性を拡げます。
[クリエイティヴアーカイヴ]
多様化する表現手法に対応した、アートの保存・継承と、新たな創造への活用に関する研究を推進します。
[キュレーション]
対話と協働を通してアートと現代社会との関係性を紡ぎ上げる人材の育成と実践研究を行います。
[芸術教育・リベラルアーツ]
東京藝大における教育のあり方を探究しながら、より幅広い対象に芸術教育を拡げ、地域や年齢、社会的属性に関係なく、誰もが自身の人生の中にアートを感じられる社会づくりを推進します。
[アート×ビジネス]
教育研究成果の社会実装・事業化を推進し、芸術産業の創出・発展に寄与します。
これらが互いに領域の枠を超えて混じり合い、芸術と社会の未来を切り拓く新たなプラットフォーム「芸術未来研究場」が、今ここからはじまります。








