2025
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  • ケア&コミュニケーション
  • I LOVE YOUプロジェクト

視覚障がい当事者と行う対話的デザイン共創事業

大学美術館

視覚障がい当事者と藝大生によるデザイン共創事業。インタビューなどのプロセスそのものが価値となる文化的処方として実施します。

「たくさんの盲人たちに盲目でもゲームができる喜びを伝えたく、盲人用のサイコロやボードの自作にチャレンジしましたが、量産ができなくて... お力を貸していただけませんか。」全盲であるYさんのこの一言から、本企画は始まりました。
私たちは、Yさんが考案された工夫について詳細にヒアリングし、デザインやデジタル技術に関する経験を最大限に活かして応答します。彼女たちと立体物を創出していくなかで、彼女たちの“視線”は、私たちがこれまで見えていなかったレイヤーを、次々に共有してくれます。
本企画の目的は、「当事者の方々の要望を形に起こして、提供すること」ではありません。「視覚障がい当事者の方々と、ものづくりに励む藝大生による双方向的なやりとり」によって、互いの“感覚” を融合させながら、誰もがその人らしく豊かに人生を送っていける共生社会の実現に向けて、創造的な一歩を踏み出したいと思っています。 

I LOVE YOU採択企画:視覚障がい当事者と行う対話的デザイン共創事業
ケア&コミュニケーション領域

アーティスト/プロジェクト

髙田清花(代表)、速水理彩、由井ひまり、栗原侑莉

髙田清花(代表)
2002年岐阜県郡上市八幡町出身。現在、東京藝術大学美術学部先端芸術表現科4年。代表的な活動に、 "うた" への好奇心とコロナ禍入学の背景から発案し、学部学科を超える同期約130人を率いて監督を務めた「藝大校歌再生活動」(2021〜2024)がある。任意団体「三百」代表。

MORE WORKS

ARCHIVE

過去の展示作品を アーカイブとして まとめています。

   

芸術未来研究場は、人が生きる力であるアートを根幹に据え、人類と地球のあるべき姿を探求するための組織として2023年4月に創設されました。閉じた施設としての「研究所」ではなく、様々なプレイヤーが集い、つながり、社会に開かれたアートを実践し、未来を共につくっていく場だから「研究場」と名付けています。
 
東京藝術大学は、伝統の継承と新しい表現の創造のための教育研究機関であると同時に、アートの未来を常に考え、様々なステークホルダーと共に社会を形づくる主体でもあります。アートの礎である「いまここにないものをイメージする力」は、世界を変え、未来をつくる力です。これまでにも、学部、学科、研究室単位では様々な学外の組織との協働がありましたが、今後は全学横断的にこれを推進していくことで、企業・官公庁・他の教育研究機関との連携を強化し、社会の様々な領域におけるアートの新たな価値や役割を増やしていきます。
 
また、こうした連携を実践する基盤として、芸術未来研究場では次の6つの領域を設定しました。


[ケア・コミュニケーション]

医療、福祉や地域コミュニティをはじめとするWell-beingな社会づくりにおけるアートの社会的価値を探求します。

[アートDX]

デジタル技術やICT技術を活用した教育研究を推進し、アートの可能性を拡げます。

[クリエイティヴアーカイヴ]

多様化する表現手法に対応した、アートの保存・継承と、新たな創造への活用に関する研究を推進します。

[キュレーション]

対話と協働を通してアートと現代社会との関係性を紡ぎ上げる人材の育成と実践研究を行います。

[芸術教育・リベラルアーツ]

東京藝大における教育のあり方を探究しながら、より幅広い対象に芸術教育を拡げ、地域や年齢、社会的属性に関係なく、誰もが自身の人生の中にアートを感じられる社会づくりを推進します。

[アート×ビジネス]

教育研究成果の社会実装・事業化を推進し、芸術産業の創出・発展に寄与します。


これらが互いに領域の枠を超えて混じり合い、芸術と社会の未来を切り拓く新たなプラットフォーム「芸術未来研究場」が、今ここからはじまります。