2024
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photo:Naoto Kozuka

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photo:Miki Shinobu

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  • アートDX

Knitting socks on a 3D printedsock knitting machine

靴下編み機の起源は、1589年、イギリスのノッティンガムの牧師であったウィリアム・リーがひげ針を発明し、手動式の靴下編み機をつくったのが始まりといわれる。日本では、明治6年(1873年)に開かれたウィーン万博から持ち帰られた編み機をモデルに、東京府の楠本正隆が鉄砲鍛冶の名人であった国友則重に模倣品を作らせたものが国産第一号の編み機といわれている。その後、日本の
靴下編み機は産業として成長していき、靴下は個人が手編みで作るものから機械で編まれた既製品を買うものへとシフトしていった。
一方で、現在ではインターネットや、3Dプリンターをはじめ、レーザーカッター、UV プリンターなどのデジタルファブリケーションが、個人でかたちを起こすことのハードルを劇的に低くし、手を動かしてつくることを愛好する人々に新たな可能性を拓いた。かくいう私もつくることを愛好する1人として、3Dプリンタで靴下編み機をリデザインすることで「ものをつくる」という、かつて多くの人の日常において当たり前だった行為を、つくり手や使い手、環境、素材、持続性など、さまざまな視点・立場から見直してみ
たいと思う。


土田恭平

2022年東京藝術大学美術研究科デザイン専攻修了。芸術情報センター教育研究助手。  
 
協力:ウィーブハリサ
 
助成:東京藝大「I LOVE YOU」プロジェクト

ARCHIVE

過去の展示作品を アーカイブとして まとめています。

   

芸術未来研究場は、人が生きる力であるアートを根幹に据え、人類と地球のあるべき姿を探求するための組織として2023年4月に創設されました。閉じた施設としての「研究所」ではなく、様々なプレイヤーが集い、つながり、社会に開かれたアートを実践し、未来を共につくっていく場だから「研究場」と名付けています。
 
東京藝術大学は、伝統の継承と新しい表現の創造のための教育研究機関であると同時に、アートの未来を常に考え、様々なステークホルダーと共に社会を形づくる主体でもあります。アートの礎である「いまここにないものをイメージする力」は、世界を変え、未来をつくる力です。これまでにも、学部、学科、研究室単位では様々な学外の組織との協働がありましたが、今後は全学横断的にこれを推進していくことで、企業・官公庁・他の教育研究機関との連携を強化し、社会の様々な領域におけるアートの新たな価値や役割を増やしていきます。
 
また、こうした連携を実践する基盤として、芸術未来研究場では次の6つの領域を設定しました。


[ケア・コミュニケーション]

医療、福祉や地域コミュニティをはじめとするWell-beingな社会づくりにおけるアートの社会的価値を探求します。

[アートDX]

デジタル技術やICT技術を活用した教育研究を推進し、アートの可能性を拡げます。

[クリエイティヴアーカイヴ]

多様化する表現手法に対応した、アートの保存・継承と、新たな創造への活用に関する研究を推進します。

[キュレーション]

対話と協働を通してアートと現代社会との関係性を紡ぎ上げる人材の育成と実践研究を行います。

[芸術教育・リベラルアーツ]

東京藝大における教育のあり方を探究しながら、より幅広い対象に芸術教育を拡げ、地域や年齢、社会的属性に関係なく、誰もが自身の人生の中にアートを感じられる社会づくりを推進します。

[アート×ビジネス]

教育研究成果の社会実装・事業化を推進し、芸術産業の創出・発展に寄与します。


これらが互いに領域の枠を超えて混じり合い、芸術と社会の未来を切り拓く新たなプラットフォーム「芸術未来研究場」が、今ここからはじまります。