2023
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photo:Kenji Agata

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  • アートDX

デザインサーベイ3.0-3Dスキャニングによる《場》の空間記述-

東京藝術大学建築科大学院環境設計第二研究室では、1963年の発足以来60年間にわたり国内・外でデザインサーベイを展開してきた。デザインサーベイとは、1965年にオレゴン大学が金沢で実施したまちなみ調査に触発され、いくつかの大学で盛んに行われるようになったフィールドワークの一種である。民家や集落を実測調査し、技術や素材、空間構成などに関する地域固有性を探り、デザイン手法化を図ろうとするものである。(=第1期)70年代後半以降、地球環境への関心の高まり(エコロジカル・プランニング論)や、持続的な地域文化や風景を含めた総合的な生活空間の評価(テリトーリオ戦略)などに引き継がれ展開してきた。(=第2期)  本企画では、そのデザインサーベイの延長線上にレーザー3Dスキャナー等を用いた3Dデータの採取を位置付ける。調査対象として「雰囲気を伴う《場》」に着目し、その空間記述を試行する。1.記録作業 の効率化、2.3DCADを用いた設計環境へのスムーズな移行、3.3DプリンターやVRを用いたアウトプット、をめざしデザインサーベイの新たな展開と設計手法の拡張可能性を探る。


宮本凱土,ヨコミゾマコト,金暁星,加藤雄大,平松那奈子,(東京藝術大学建築科大学院環境設計第二研究室)

東京藝術大学建築科大学院環境設計第二研究室
在職期間 / 指導教員 / 主な調査場所
:1962〜1990 / 茂木計一郎 / 同潤会アパート青山・代官山、愛媛県外泊、奈良県白毫寺町
:1989〜2008 / 片山和俊 / 中国安徽省、同福建省、同浙江省、山形県金山町、長野県南木曽町
:2009〜現在 / ヨコミゾマコト / 宮城県雄勝町、秋田県藤里町、山形県金山町、新潟県新発田市 
 
助成:東京藝大「I LOVE YOU」プロジェクト

ARCHIVE

過去の展示作品を アーカイブとして まとめています。

   

芸術未来研究場は、人が生きる力であるアートを根幹に据え、人類と地球のあるべき姿を探求するための組織として2023年4月に創設されました。閉じた施設としての「研究所」ではなく、様々なプレイヤーが集い、つながり、社会に開かれたアートを実践し、未来を共につくっていく場だから「研究場」と名付けています。
 
東京藝術大学は、伝統の継承と新しい表現の創造のための教育研究機関であると同時に、アートの未来を常に考え、様々なステークホルダーと共に社会を形づくる主体でもあります。アートの礎である「いまここにないものをイメージする力」は、世界を変え、未来をつくる力です。これまでにも、学部、学科、研究室単位では様々な学外の組織との協働がありましたが、今後は全学横断的にこれを推進していくことで、企業・官公庁・他の教育研究機関との連携を強化し、社会の様々な領域におけるアートの新たな価値や役割を増やしていきます。
 
また、こうした連携を実践する基盤として、芸術未来研究場では次の6つの領域を設定しました。


[ケア・コミュニケーション]

医療、福祉や地域コミュニティをはじめとするWell-beingな社会づくりにおけるアートの社会的価値を探求します。

[アートDX]

デジタル技術やICT技術を活用した教育研究を推進し、アートの可能性を拡げます。

[クリエイティヴアーカイヴ]

多様化する表現手法に対応した、アートの保存・継承と、新たな創造への活用に関する研究を推進します。

[キュレーション]

対話と協働を通してアートと現代社会との関係性を紡ぎ上げる人材の育成と実践研究を行います。

[芸術教育・リベラルアーツ]

東京藝大における教育のあり方を探究しながら、より幅広い対象に芸術教育を拡げ、地域や年齢、社会的属性に関係なく、誰もが自身の人生の中にアートを感じられる社会づくりを推進します。

[アート×ビジネス]

教育研究成果の社会実装・事業化を推進し、芸術産業の創出・発展に寄与します。


これらが互いに領域の枠を超えて混じり合い、芸術と社会の未来を切り拓く新たなプラットフォーム「芸術未来研究場」が、今ここからはじまります。