2023
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photo:Kenji Agata

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  • ケア・コミュニケーション

Bubbles-p バブルスピー

“Bubbles”とは 映像の中のシャボン玉と全身を使って戯れるインタラクティブなインスタレーションです。会場内に設置された巨大なスクリーンには、リアルにたゆたうシャボン玉の映像が投影されています。鑑賞者がそこに近づき、影がスクリーン の中のシャボン玉にあたると、それに影響されて、スクリーンの中のシャボン玉がたなびいたり、影に跳ね返ったり、はじけ飛んだりします。 2001年にドイツのZKM(ヨーロッパ最大のメディアアート美術館、研究施設)においてW.Muenchと古川によって作成された体験型メディアアート作品で、ZKMのメディア美術館のコレクションとなり、現在も常設展示されています。移動展示としても欧米、アジアなど100回を超える展示が行われてきた人気作品です。日本でも I C C, YCAMなど主要な組織で展示されて きました。2020年度、ZKMと東京藝大(平研究室)がcoton株式会社の技術協力で、メディアアートの修復プロジェクトとして、オリジナル作品の内容を最大限にいかして、“Bubbles”のソースコードの全面的な書き換え、修復をおこない、 WEB-アプリケーションとして再現されました。


古川聖(Furukawa Kiyoshi)ウォルフガング ミュンヒ(Wolfgang Muench)

Dr. ヴォルフガング・ミュンヒはメディア・アーティストであり、現在、シンガポールのラサー ル美術大学の学習・教育・研究部長を務める。古川聖は作曲、メディアアート、コンピュータ ー音楽の領域で活動し、本学、東京藝術大学先端芸術表現科教授。 
 
技術協力:株式会社coton 

ARCHIVE

過去の展示作品を アーカイブとして まとめています。

   

芸術未来研究場は、人が生きる力であるアートを根幹に据え、人類と地球のあるべき姿を探求するための組織として2023年4月に創設されました。閉じた施設としての「研究所」ではなく、様々なプレイヤーが集い、つながり、社会に開かれたアートを実践し、未来を共につくっていく場だから「研究場」と名付けています。
 
東京藝術大学は、伝統の継承と新しい表現の創造のための教育研究機関であると同時に、アートの未来を常に考え、様々なステークホルダーと共に社会を形づくる主体でもあります。アートの礎である「いまここにないものをイメージする力」は、世界を変え、未来をつくる力です。これまでにも、学部、学科、研究室単位では様々な学外の組織との協働がありましたが、今後は全学横断的にこれを推進していくことで、企業・官公庁・他の教育研究機関との連携を強化し、社会の様々な領域におけるアートの新たな価値や役割を増やしていきます。
 
また、こうした連携を実践する基盤として、芸術未来研究場では次の6つの領域を設定しました。


[ケア・コミュニケーション]

医療、福祉や地域コミュニティをはじめとするWell-beingな社会づくりにおけるアートの社会的価値を探求します。

[アートDX]

デジタル技術やICT技術を活用した教育研究を推進し、アートの可能性を拡げます。

[クリエイティヴアーカイヴ]

多様化する表現手法に対応した、アートの保存・継承と、新たな創造への活用に関する研究を推進します。

[キュレーション]

対話と協働を通してアートと現代社会との関係性を紡ぎ上げる人材の育成と実践研究を行います。

[芸術教育・リベラルアーツ]

東京藝大における教育のあり方を探究しながら、より幅広い対象に芸術教育を拡げ、地域や年齢、社会的属性に関係なく、誰もが自身の人生の中にアートを感じられる社会づくりを推進します。

[アート×ビジネス]

教育研究成果の社会実装・事業化を推進し、芸術産業の創出・発展に寄与します。


これらが互いに領域の枠を超えて混じり合い、芸術と社会の未来を切り拓く新たなプラットフォーム「芸術未来研究場」が、今ここからはじまります。