2023
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photo:Kenji Agata

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  • アートDX

学習データと出力結果から、能動的にAIを知覚する

深層学習の構造を持つAIを⽤いて複数枚の撮影画像から、被写体の3Dデータを⽣成し、それをもとに彫刻作品を制作する。この作品制作において、①学習データと出⼒結果の関係性を明らかにすること、②デジタルデータの⽀持体として⽴体彫刻作品を制作することの⼆つの要素から、デジタルデータの根源的な構造を確認し、⽇常⽣活の中で関わるデジタル技術ついて再考することを試みる。 AIなどの情報技術やインターネットが世の中に浸透したことによって、⾒ず知らずのうちにデータに関わるようになった。なかでもchatGPTをはじめとした⽣成AIは、相互関係をもつはずの学習データと出⼒結果は切り離され、尤もらしい出⼒が⾒えても、⾒えない学習データがあることは明らかである。この現状は⽬の前に起きる出来事に対して、受動的になることを助⻑してしまう。 そこで本作品では、NeRFと呼ばれる3D深層学習をベースにNuralVolumesの出力を前提として複数枚の画像を学習し、出力される3Dデータをもとに彫刻作品を制作する。複数枚の画像と彫刻作品を比較することで、差分を能動的に知覚し、わからない部分も含めた理解と想像をすることを試みる


浜田卓之

2018年情報科学芸術大学院大学(IAMAS)修了。 修士作品 Arche-Tectonでは、" 建物 "を空間を捉える手段の一つであることを背景に、私が日常的に行うスケートボーディングの実践から"建築"の概念を再考する。 その後、助手として勤務する傍ら、空間における構造と動きに着目し、物理・情報空間の横断における差異をかたちにすることで作品制作を行う。 
 
助成:東京藝大「I LOVE YOU」プロジェクト 

ARCHIVE

過去の展示作品を アーカイブとして まとめています。

   

芸術未来研究場は、人が生きる力であるアートを根幹に据え、人類と地球のあるべき姿を探求するための組織として2023年4月に創設されました。閉じた施設としての「研究所」ではなく、様々なプレイヤーが集い、つながり、社会に開かれたアートを実践し、未来を共につくっていく場だから「研究場」と名付けています。
 
東京藝術大学は、伝統の継承と新しい表現の創造のための教育研究機関であると同時に、アートの未来を常に考え、様々なステークホルダーと共に社会を形づくる主体でもあります。アートの礎である「いまここにないものをイメージする力」は、世界を変え、未来をつくる力です。これまでにも、学部、学科、研究室単位では様々な学外の組織との協働がありましたが、今後は全学横断的にこれを推進していくことで、企業・官公庁・他の教育研究機関との連携を強化し、社会の様々な領域におけるアートの新たな価値や役割を増やしていきます。
 
また、こうした連携を実践する基盤として、芸術未来研究場では次の6つの領域を設定しました。


[ケア・コミュニケーション]

医療、福祉や地域コミュニティをはじめとするWell-beingな社会づくりにおけるアートの社会的価値を探求します。

[アートDX]

デジタル技術やICT技術を活用した教育研究を推進し、アートの可能性を拡げます。

[クリエイティヴアーカイヴ]

多様化する表現手法に対応した、アートの保存・継承と、新たな創造への活用に関する研究を推進します。

[キュレーション]

対話と協働を通してアートと現代社会との関係性を紡ぎ上げる人材の育成と実践研究を行います。

[芸術教育・リベラルアーツ]

東京藝大における教育のあり方を探究しながら、より幅広い対象に芸術教育を拡げ、地域や年齢、社会的属性に関係なく、誰もが自身の人生の中にアートを感じられる社会づくりを推進します。

[アート×ビジネス]

教育研究成果の社会実装・事業化を推進し、芸術産業の創出・発展に寄与します。


これらが互いに領域の枠を超えて混じり合い、芸術と社会の未来を切り拓く新たなプラットフォーム「芸術未来研究場」が、今ここからはじまります。