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ケア・コミュニケーション
「センサリーアース」あなたが感じたセンサリーを1/1で作ってみよう
公益財団法人日本サッカー協会(JFA)と東京藝術大学(DOOR)が協働し、2021年度より実施している「センサリールームプロジェクト」(監修:日比野克彦)。 センサリールームとは、強い照明や大きな音、人混みが苦手な人たちが安心してスタジアムで観戦できるよう配慮した空間のこと。 2021年度には受講生とともに「居心地がよい空間」をテーマに一年を通して感覚過敏などの特徴がある子ども・家族が安心して観戦できる環境を考え、制作しました。 これまでの一連の制作・実施して、センサリールームが備えている、防音・落ち着く・隠れられる・その人に合わせてカスタマイズできるなど様々な機能の根本の部分には、試合観戦の困難を抱える子どもや家族を「迎え入れる気持ち」「迎え入れる形」がある、ということが見えてきました。 今年度は、講師としてアーティスト・菊地良太とともに、「迎え入れる気持ち」「迎え入れる形」からスタートし、身の回りあるセンサリーを探しながら、居心地の良い空間とは・まちとは・世界とは何か、について、講師と一緒に制作を通して探っています。 本展では、「受講生がフィールドワークで感じた、センサリーを1/1で作ってみよう」という課題に受講生が応答した作品を展示します。
Diversity on the Arts Project(DOOR)プログラム実践演習履修者・講師:菊地良太・ゲスト:日比野克彦
Diversity on the Arts Project (通称:DOOR)は2017年にスタート。「多様な人々が共生できる社会」を支える人材を育成するプロジェクトです。 社会人と藝大生が「アートと福祉」を一年間学んできます。講師として、現代の社会に生きづらさを感じている当事者、社会と関わりを持ち表現を行うアーティスト、現代の福祉をより広い視点で捉え直す多様な分野の専門家を迎えます。アートと福祉が滲みあうフィールドをお互いの作用において拡張しながら、体系的かつユニークなカリキュラムを展開しています。
協力:公益財団法人日本サッカー協会
ARCHIVE
過去の展示作品を アーカイブとして まとめています。


芸術未来研究場は、人が生きる力であるアートを根幹に据え、人類と地球のあるべき姿を探求するための組織として2023年4月に創設されました。閉じた施設としての「研究所」ではなく、様々なプレイヤーが集い、つながり、社会に開かれたアートを実践し、未来を共につくっていく場だから「研究場」と名付けています。
東京藝術大学は、伝統の継承と新しい表現の創造のための教育研究機関であると同時に、アートの未来を常に考え、様々なステークホルダーと共に社会を形づくる主体でもあります。アートの礎である「いまここにないものをイメージする力」は、世界を変え、未来をつくる力です。これまでにも、学部、学科、研究室単位では様々な学外の組織との協働がありましたが、今後は全学横断的にこれを推進していくことで、企業・官公庁・他の教育研究機関との連携を強化し、社会の様々な領域におけるアートの新たな価値や役割を増やしていきます。
また、こうした連携を実践する基盤として、芸術未来研究場では次の6つの領域を設定しました。
[ケア・コミュニケーション]
医療、福祉や地域コミュニティをはじめとするWell-beingな社会づくりにおけるアートの社会的価値を探求します。
[アートDX]
デジタル技術やICT技術を活用した教育研究を推進し、アートの可能性を拡げます。
[クリエイティヴアーカイヴ]
多様化する表現手法に対応した、アートの保存・継承と、新たな創造への活用に関する研究を推進します。
[キュレーション]
対話と協働を通してアートと現代社会との関係性を紡ぎ上げる人材の育成と実践研究を行います。
[芸術教育・リベラルアーツ]
東京藝大における教育のあり方を探究しながら、より幅広い対象に芸術教育を拡げ、地域や年齢、社会的属性に関係なく、誰もが自身の人生の中にアートを感じられる社会づくりを推進します。
[アート×ビジネス]
教育研究成果の社会実装・事業化を推進し、芸術産業の創出・発展に寄与します。
これらが互いに領域の枠を超えて混じり合い、芸術と社会の未来を切り拓く新たなプラットフォーム「芸術未来研究場」が、今ここからはじまります。