2023
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photo:Kenji Agata

photo:Kenji Agata

  • アートDX

落下

まなざしを送り、風景がそれに応える。 この相互の関係性の中で生じる一回性は、その対象物に付されたイメージ(虚像)に対しても拡張可能か。 近年、メディアがその透明性を増し、虚実が身体的、観念的に曖昧になっていく状況と、それに反して、常にデバイスを運び、触ることでメディアのモノ(物質)としての側面が強調されていく、まさにこのパラドキシカルな状況において、このような課題は、同時代的なものとしてより明瞭に浮かび上がっているように感じる。 本作は「モノ」と「イメージ」の同期/非同期を通して、このような意識の前景化を試みる。

時間 4:48min. loop


大原崇嘉

1986年神奈川県生まれ。東京藝術大学大学院映像学科メディア映像専攻修了。色彩や構成、人間の奥行き知覚の考察をベースとした視覚表現など。 2017年からはアーティスト・コレクティブのヨフのメンバーとしても活動している。 
 
助成:東京藝大「I LOVE YOU」プロジェクト

ARCHIVE

過去の展示作品を アーカイブとして まとめています。

   

芸術未来研究場は、人が生きる力であるアートを根幹に据え、人類と地球のあるべき姿を探求するための組織として2023年4月に創設されました。閉じた施設としての「研究所」ではなく、様々なプレイヤーが集い、つながり、社会に開かれたアートを実践し、未来を共につくっていく場だから「研究場」と名付けています。
 
東京藝術大学は、伝統の継承と新しい表現の創造のための教育研究機関であると同時に、アートの未来を常に考え、様々なステークホルダーと共に社会を形づくる主体でもあります。アートの礎である「いまここにないものをイメージする力」は、世界を変え、未来をつくる力です。これまでにも、学部、学科、研究室単位では様々な学外の組織との協働がありましたが、今後は全学横断的にこれを推進していくことで、企業・官公庁・他の教育研究機関との連携を強化し、社会の様々な領域におけるアートの新たな価値や役割を増やしていきます。
 
また、こうした連携を実践する基盤として、芸術未来研究場では次の6つの領域を設定しました。


[ケア・コミュニケーション]

医療、福祉や地域コミュニティをはじめとするWell-beingな社会づくりにおけるアートの社会的価値を探求します。

[アートDX]

デジタル技術やICT技術を活用した教育研究を推進し、アートの可能性を拡げます。

[クリエイティヴアーカイヴ]

多様化する表現手法に対応した、アートの保存・継承と、新たな創造への活用に関する研究を推進します。

[キュレーション]

対話と協働を通してアートと現代社会との関係性を紡ぎ上げる人材の育成と実践研究を行います。

[芸術教育・リベラルアーツ]

東京藝大における教育のあり方を探究しながら、より幅広い対象に芸術教育を拡げ、地域や年齢、社会的属性に関係なく、誰もが自身の人生の中にアートを感じられる社会づくりを推進します。

[アート×ビジネス]

教育研究成果の社会実装・事業化を推進し、芸術産業の創出・発展に寄与します。


これらが互いに領域の枠を超えて混じり合い、芸術と社会の未来を切り拓く新たなプラットフォーム「芸術未来研究場」が、今ここからはじまります。