2024
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photo:Naoto Kozuka

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photo:Miki Shinobu

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  • ケア・コミュニケーション

あなたの好きな人の、100年後のお誕生日会を計画する

本プロジェクトでは、協力者の大切な人の100年後のお誕生日について、どのようにお祝いするのか話し合いを重ね、はるか未来のお誕生日会の予行演習を行いました。本プロジェクトを思いたったのは第一子を出産した経験に由来します。新生児は何もかもが新鮮で、毎日写真や動画を撮りました。ある時、子をあやす父親にカメラを向けると彼はおどけて、「〇〇ちゃん、86歳のお誕生日おめでとう!...きみがこの動画を見ているということは
私はもうこの世には... 」といったように、私たちが不在の未来へ向けたバースデーメッセージを語りだしました。
単にふざけて行われたその振る舞いに私は笑い、印象に残っています。 そして自分が今より歳を取り、不在になる世界について実感を持ったのはその瞬間だったように思います。
大切な誰かの何年も先のお誕生日を祝うこと、お誕生日会を計画し、そのことを考えることは、年代も時代も超え、少しワクワクし、例え自分が不在であっても未来を想像することにつながるのではないかと考え、本プロジェクトを発案しました。


人見紗操

東京生まれ。大学院美術研究科先端芸術表現専攻修了。他者は可能性としての自分の一部であると考え、人との関わりを出発点に主に映像やテキストをメディアとした作品を制作している。 

撮影協力: 西尾聡真
題字協力: 川口蓮
リサーチ協力:こぶしえん、目黒区高齢者センター 

 助成:東京藝大「I LOVE YOU」プロジェクト

ARCHIVE

過去の展示作品を アーカイブとして まとめています。

   

芸術未来研究場は、人が生きる力であるアートを根幹に据え、人類と地球のあるべき姿を探求するための組織として2023年4月に創設されました。閉じた施設としての「研究所」ではなく、様々なプレイヤーが集い、つながり、社会に開かれたアートを実践し、未来を共につくっていく場だから「研究場」と名付けています。
 
東京藝術大学は、伝統の継承と新しい表現の創造のための教育研究機関であると同時に、アートの未来を常に考え、様々なステークホルダーと共に社会を形づくる主体でもあります。アートの礎である「いまここにないものをイメージする力」は、世界を変え、未来をつくる力です。これまでにも、学部、学科、研究室単位では様々な学外の組織との協働がありましたが、今後は全学横断的にこれを推進していくことで、企業・官公庁・他の教育研究機関との連携を強化し、社会の様々な領域におけるアートの新たな価値や役割を増やしていきます。
 
また、こうした連携を実践する基盤として、芸術未来研究場では次の6つの領域を設定しました。


[ケア・コミュニケーション]

医療、福祉や地域コミュニティをはじめとするWell-beingな社会づくりにおけるアートの社会的価値を探求します。

[アートDX]

デジタル技術やICT技術を活用した教育研究を推進し、アートの可能性を拡げます。

[クリエイティヴアーカイヴ]

多様化する表現手法に対応した、アートの保存・継承と、新たな創造への活用に関する研究を推進します。

[キュレーション]

対話と協働を通してアートと現代社会との関係性を紡ぎ上げる人材の育成と実践研究を行います。

[芸術教育・リベラルアーツ]

東京藝大における教育のあり方を探究しながら、より幅広い対象に芸術教育を拡げ、地域や年齢、社会的属性に関係なく、誰もが自身の人生の中にアートを感じられる社会づくりを推進します。

[アート×ビジネス]

教育研究成果の社会実装・事業化を推進し、芸術産業の創出・発展に寄与します。


これらが互いに領域の枠を超えて混じり合い、芸術と社会の未来を切り拓く新たなプラットフォーム「芸術未来研究場」が、今ここからはじまります。