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ケア・コミュニケーション
「明後日新聞社文化事業部」の記者になって新聞を作ろう
プログラム実践演習は社会人と藝大生がケアとアートを学ぶDOOR開講の授業であり、講師に菊地良太、ゲストとして日比野克彦大学長を迎え、多様な人々がともに過ごす場をつくることを目指し、作品・ワークショップ等の制作や実践を行います。2024年度のテーマは「明後日新聞社文化事業部」の記者になって新聞を作ろう」です。
「明後日新聞社文化事業部」は日比野克彦と莇平地域の人々が大地の芸術祭2003をきっかけとして始まったプロジェクトです。活動を開始以来、大地の芸術祭や地域情報を伝える新聞を200号以上発行してきました。2024年の夏、受講生たちは3名程度のチームにわかれて莇平に赴き、取材をし、新聞を1号づつ発行、計10号が発行されました。莇平はとても小さな集落で、日々変わらないようにも思えますが、受講生は、取材を通して莇平を見つめ、感覚し、見つけ、たくさんの出来事に出会いました。
芸術未来研究場展ではそれぞれが出会った出来事を、新聞の形にまとめ、展示します。
東京藝術大学 Diversity on the Arts Project(DOOR) プログラム実践演習履修者講師:菊地良太 ゲスト:日比野克彦
Diversity on the Arts Project (通称:DOOR )は2017年にスタート。「多様な人々が共生できる社会」を支える人材を育成するプロジェクトです。
社会人と藝大生が「アートと福祉」を一年間学んできます。講師として、現代の社会に生きづらさを感じている当事者、社会と関わりを持ち表現を行うアーティスト、現代の福祉をより広い視点で捉え直す多様な分野の専門家を迎えます。アートと福祉が滲みあうフィールドをお互いの作用において拡張しながら、体系的かつユニークなカリキュラムを展開しています。
協力:莇平集落
ARCHIVE
過去の展示作品を アーカイブとして まとめています。


芸術未来研究場は、人が生きる力であるアートを根幹に据え、人類と地球のあるべき姿を探求するための組織として2023年4月に創設されました。閉じた施設としての「研究所」ではなく、様々なプレイヤーが集い、つながり、社会に開かれたアートを実践し、未来を共につくっていく場だから「研究場」と名付けています。
東京藝術大学は、伝統の継承と新しい表現の創造のための教育研究機関であると同時に、アートの未来を常に考え、様々なステークホルダーと共に社会を形づくる主体でもあります。アートの礎である「いまここにないものをイメージする力」は、世界を変え、未来をつくる力です。これまでにも、学部、学科、研究室単位では様々な学外の組織との協働がありましたが、今後は全学横断的にこれを推進していくことで、企業・官公庁・他の教育研究機関との連携を強化し、社会の様々な領域におけるアートの新たな価値や役割を増やしていきます。
また、こうした連携を実践する基盤として、芸術未来研究場では次の6つの領域を設定しました。
[ケア・コミュニケーション]
医療、福祉や地域コミュニティをはじめとするWell-beingな社会づくりにおけるアートの社会的価値を探求します。
[アートDX]
デジタル技術やICT技術を活用した教育研究を推進し、アートの可能性を拡げます。
[クリエイティヴアーカイヴ]
多様化する表現手法に対応した、アートの保存・継承と、新たな創造への活用に関する研究を推進します。
[キュレーション]
対話と協働を通してアートと現代社会との関係性を紡ぎ上げる人材の育成と実践研究を行います。
[芸術教育・リベラルアーツ]
東京藝大における教育のあり方を探究しながら、より幅広い対象に芸術教育を拡げ、地域や年齢、社会的属性に関係なく、誰もが自身の人生の中にアートを感じられる社会づくりを推進します。
[アート×ビジネス]
教育研究成果の社会実装・事業化を推進し、芸術産業の創出・発展に寄与します。
これらが互いに領域の枠を超えて混じり合い、芸術と社会の未来を切り拓く新たなプラットフォーム「芸術未来研究場」が、今ここからはじまります。