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アートDX
表現力豊かな《工房》の模型
ものを創造するための空間──工房のなかで交わされる人と道具との親密で、真摯な対話を3Dスキャン・モーションキャプチャといった技術を使用してアーカイブし、この
空間と人やものの動きを含めたメディアとして “表現力豊かな《工房》の模型” を制作しています。
本学の取手校舎にあるガラス工房でワイングラスが製作される過程は、高温のうちに加工しなければならないことから製作者と助手の阿吽の呼吸と、訓練された手際よい動き、無駄のない工房のレイアウトによって構成されていることが観察できます。
本展覧会では、記録ノート、写真、映像記録を閲覧できるプラットフォームとしてのウェブサイトとインタラクティブな3D 視聴が可能なアプリケーションだけでなく、模型のように工房を表示する3D 表示モニターによる展示を試みます。
戸石あき
1991年生、シカゴと東京で育つ。一級建築士。
2017年東京藝術大学大学院建築専攻金田充弘研究室修了。スキーマ建築計画を経て独立しlemnaとして活動を開始。“工房”というテーマに主軸に、デザインやコンサルティング、リサーチ活動を行う。
協力: 令和5年度文化庁メディア芸術クリエイター育成支援事業
東京藝術大学 ガラス造形研究室
多摩美術大学 工芸学科 ガラスプログラム
東京藝術大学 美術学部 建築科 金田充弘研究室
助成:東京藝大「I LOVE YOU」プロジェクト
ARCHIVE
過去の展示作品を アーカイブとして まとめています。


芸術未来研究場は、人が生きる力であるアートを根幹に据え、人類と地球のあるべき姿を探求するための組織として2023年4月に創設されました。閉じた施設としての「研究所」ではなく、様々なプレイヤーが集い、つながり、社会に開かれたアートを実践し、未来を共につくっていく場だから「研究場」と名付けています。
東京藝術大学は、伝統の継承と新しい表現の創造のための教育研究機関であると同時に、アートの未来を常に考え、様々なステークホルダーと共に社会を形づくる主体でもあります。アートの礎である「いまここにないものをイメージする力」は、世界を変え、未来をつくる力です。これまでにも、学部、学科、研究室単位では様々な学外の組織との協働がありましたが、今後は全学横断的にこれを推進していくことで、企業・官公庁・他の教育研究機関との連携を強化し、社会の様々な領域におけるアートの新たな価値や役割を増やしていきます。
また、こうした連携を実践する基盤として、芸術未来研究場では次の6つの領域を設定しました。
[ケア・コミュニケーション]
医療、福祉や地域コミュニティをはじめとするWell-beingな社会づくりにおけるアートの社会的価値を探求します。
[アートDX]
デジタル技術やICT技術を活用した教育研究を推進し、アートの可能性を拡げます。
[クリエイティヴアーカイヴ]
多様化する表現手法に対応した、アートの保存・継承と、新たな創造への活用に関する研究を推進します。
[キュレーション]
対話と協働を通してアートと現代社会との関係性を紡ぎ上げる人材の育成と実践研究を行います。
[芸術教育・リベラルアーツ]
東京藝大における教育のあり方を探究しながら、より幅広い対象に芸術教育を拡げ、地域や年齢、社会的属性に関係なく、誰もが自身の人生の中にアートを感じられる社会づくりを推進します。
[アート×ビジネス]
教育研究成果の社会実装・事業化を推進し、芸術産業の創出・発展に寄与します。
これらが互いに領域の枠を超えて混じり合い、芸術と社会の未来を切り拓く新たなプラットフォーム「芸術未来研究場」が、今ここからはじまります。