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クリエイティヴアーカイヴ
クリエイティヴ・アーカイヴ
クリエイティヴなアーカイヴとは、絵画や楽曲といった芸術作品だけでなく、その周辺に存在する様々な事象――展覧会や演奏会の記録、表現に用いられる素材や道具(例えば、絵具、合成樹脂、楽器、コンピューター、3Dプリンター)、わざや暗黙知(例えば、刷毛で漆を塗るときの動き、映像や演劇の脚本や構成方法、邦楽における箏と唄の間のとり方)、そのような芸術にまつわる伝承を含めた様々な芸術資源、創造の過程、文脈のようなものをアーカイヴ・保存・継承し、それらを新たな創造や、概念の開拓へとつなげる、持続的な循環を促す仕組みのデザインをすること、およびその行為、と定義しています。 東京藝術大学に蓄積された芸術資源を次世代に伝え、学内の恒久的なアーカイヴ基盤(ハブ)となって、国内外の芸術系大学や研究機関、アーティストや研究者、地域社会との共創ネットワークを構築し社会に開くことで、芸術の未来を共に創る社会を目指していきます。
[シンポジウム]
「坂本龍一が見た風景と聴いた音:東京藝術大学小泉文夫記念資料室を中心に」
2023年 11月23日(木・祝)14:00-16:00
登壇者:垣内幸夫(京都教育大学名誉教授)、植村幸生(東京藝術大学音楽学部教授)、尾高暁子(東京藝術大学小泉文夫記念資料室学術研究員)、毛利嘉孝(東京藝術大学音楽学部教授、未来創造継承センター長)など
本企画は、坂本龍一さんが東京藝術大学音楽学部に在籍していた時代の、小泉文夫先生の授業のシラバスや当時のフィールドワーク、活動をあらためて見直すことを通じて、この時期小泉研究室、小泉先生の授業や演習で坂本龍一さんが何を見て、何を聴いたのかを想像してみようというものです。また、あわせてこの時期の非西洋音楽との出会いがその後の坂本さんの音楽活動にどのような影響があったのかを考えたいと思います。
未来創造継承センター
2022年4月、東京藝術大学のアーカイヴ系機能や組織を再編し、全学組織として未来創造継承センターが新設されました。芸術作品だけでなく、創造の過程や文脈、技や実践知、暗黙知など様々な芸術資源を次世代へと継承し、新たな表現や概念の開拓へと持続的に循環させる「クリエイティヴ・アーカイヴ」を実現していきます。
ARCHIVE
過去の展示作品を アーカイブとして まとめています。


芸術未来研究場は、人が生きる力であるアートを根幹に据え、人類と地球のあるべき姿を探求するための組織として2023年4月に創設されました。閉じた施設としての「研究所」ではなく、様々なプレイヤーが集い、つながり、社会に開かれたアートを実践し、未来を共につくっていく場だから「研究場」と名付けています。
東京藝術大学は、伝統の継承と新しい表現の創造のための教育研究機関であると同時に、アートの未来を常に考え、様々なステークホルダーと共に社会を形づくる主体でもあります。アートの礎である「いまここにないものをイメージする力」は、世界を変え、未来をつくる力です。これまでにも、学部、学科、研究室単位では様々な学外の組織との協働がありましたが、今後は全学横断的にこれを推進していくことで、企業・官公庁・他の教育研究機関との連携を強化し、社会の様々な領域におけるアートの新たな価値や役割を増やしていきます。
また、こうした連携を実践する基盤として、芸術未来研究場では次の6つの領域を設定しました。
[ケア・コミュニケーション]
医療、福祉や地域コミュニティをはじめとするWell-beingな社会づくりにおけるアートの社会的価値を探求します。
[アートDX]
デジタル技術やICT技術を活用した教育研究を推進し、アートの可能性を拡げます。
[クリエイティヴアーカイヴ]
多様化する表現手法に対応した、アートの保存・継承と、新たな創造への活用に関する研究を推進します。
[キュレーション]
対話と協働を通してアートと現代社会との関係性を紡ぎ上げる人材の育成と実践研究を行います。
[芸術教育・リベラルアーツ]
東京藝大における教育のあり方を探究しながら、より幅広い対象に芸術教育を拡げ、地域や年齢、社会的属性に関係なく、誰もが自身の人生の中にアートを感じられる社会づくりを推進します。
[アート×ビジネス]
教育研究成果の社会実装・事業化を推進し、芸術産業の創出・発展に寄与します。
これらが互いに領域の枠を超えて混じり合い、芸術と社会の未来を切り拓く新たなプラットフォーム「芸術未来研究場」が、今ここからはじまります。