2025
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  • ケア&コミュニケーション
  • I LOVE YOUプロジェクト

声をすくう、ともにほどく

大学美術館

社会的孤立の中に置かれやすい人々の「語られない声」や「沈黙する身体」に焦点をあて、アートを通じたケアの実践を探るシリーズ型の共同研究プロジェクト。長期入院中の子どもたち、困難から回復する過程にある女性、ケアの現場からこぼれ落ちがちな若年女子を想定し、それぞれ異なるかたちで「(自己を)表現することの困難さ」や「他者とのつながりの断絶」を抱える現場において、語り・描き・演じるプロセスを共に行い、「孤立をほどく」表現の在り方を探ります。
本企画は、「文化的処方」の考え方を基盤とし、アートと医療・福祉・教育の領域を横断する実験的実践です。参加者が自己の身体や経験を語り直し、他者との関係性を再構築する創造的な場を形成することを通じて、共生社会におけるケアのかたちを具体的に提示します。
 
I LOVE YOU採択企画:声をすくう、ともにほどく
ケア&コミュニケーション領域

アーティスト/プロジェクト

西原珉  (+先端芸術表現科 奥野智朋+西原研究室)

キュレーション・心理療法士

90年代の現代美術シーンで活動後、渡米。ソーシャルワーカー兼臨床心理療法士として心理療法の他、ロサンゼルス市内でアートプロジェクトを実施。現在は日本を拠点に作り手のための相談とカウンセリングのほか、アートによる介入を通じたコミュニティと歴史的トラウマのケアを研究。秋田市文化創造館館長。

MORE WORKS

ARCHIVE

過去の展示作品を アーカイブとして まとめています。

   

芸術未来研究場は、人が生きる力であるアートを根幹に据え、人類と地球のあるべき姿を探求するための組織として2023年4月に創設されました。閉じた施設としての「研究所」ではなく、様々なプレイヤーが集い、つながり、社会に開かれたアートを実践し、未来を共につくっていく場だから「研究場」と名付けています。
 
東京藝術大学は、伝統の継承と新しい表現の創造のための教育研究機関であると同時に、アートの未来を常に考え、様々なステークホルダーと共に社会を形づくる主体でもあります。アートの礎である「いまここにないものをイメージする力」は、世界を変え、未来をつくる力です。これまでにも、学部、学科、研究室単位では様々な学外の組織との協働がありましたが、今後は全学横断的にこれを推進していくことで、企業・官公庁・他の教育研究機関との連携を強化し、社会の様々な領域におけるアートの新たな価値や役割を増やしていきます。
 
また、こうした連携を実践する基盤として、芸術未来研究場では次の6つの領域を設定しました。


[ケア・コミュニケーション]

医療、福祉や地域コミュニティをはじめとするWell-beingな社会づくりにおけるアートの社会的価値を探求します。

[アートDX]

デジタル技術やICT技術を活用した教育研究を推進し、アートの可能性を拡げます。

[クリエイティヴアーカイヴ]

多様化する表現手法に対応した、アートの保存・継承と、新たな創造への活用に関する研究を推進します。

[キュレーション]

対話と協働を通してアートと現代社会との関係性を紡ぎ上げる人材の育成と実践研究を行います。

[芸術教育・リベラルアーツ]

東京藝大における教育のあり方を探究しながら、より幅広い対象に芸術教育を拡げ、地域や年齢、社会的属性に関係なく、誰もが自身の人生の中にアートを感じられる社会づくりを推進します。

[アート×ビジネス]

教育研究成果の社会実装・事業化を推進し、芸術産業の創出・発展に寄与します。


これらが互いに領域の枠を超えて混じり合い、芸術と社会の未来を切り拓く新たなプラットフォーム「芸術未来研究場」が、今ここからはじまります。