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アートDX
リアル世界と融合した動的な点群空間に関する研究
レーザースキャナーで取得されるデータは、位置情報と色情報を持つ無数の点の集まりである点群データとして扱われます。アートDX 領域の4D デジタルアーカイブ研究室では、デジタル芸大βやデジタル上野の杜など、静的な点群データ内を自由に散策できるデジタル空間を制作してきました。
本研究ではNTT 人間情報研究所とともに、点群データをデジタル空間内で動かすことで動的な表現を試みるとともに、リアル世界との融合を図ることで、動的な点群空間の体験の可能性を模索します。
今回は上野公園の桜並木の点群データを活用し、風に揺れる桜並木の様子を点群データで表現します。ディスプレイ上の桜並木の点群は常に揺れ動いていますが、風力センサーで風を感知することで、その揺れ方が変化します。
本展示では、風力センサーを通じてサイバー空間と体験者によるアクションを融合していますが、今後はサイバー空間とリアルな上野公園の風環境を融合することを目指しています。
アートDX+NTT 人間情報研究所 アートDX:秋田亮平・浜田卓之 NTT 人間情報研究所:望月崇由・千明裕
レーザースキャン協力:クモノスコーポレーション株式会社
ARCHIVE
過去の展示作品を アーカイブとして まとめています。


芸術未来研究場は、人が生きる力であるアートを根幹に据え、人類と地球のあるべき姿を探求するための組織として2023年4月に創設されました。閉じた施設としての「研究所」ではなく、様々なプレイヤーが集い、つながり、社会に開かれたアートを実践し、未来を共につくっていく場だから「研究場」と名付けています。
東京藝術大学は、伝統の継承と新しい表現の創造のための教育研究機関であると同時に、アートの未来を常に考え、様々なステークホルダーと共に社会を形づくる主体でもあります。アートの礎である「いまここにないものをイメージする力」は、世界を変え、未来をつくる力です。これまでにも、学部、学科、研究室単位では様々な学外の組織との協働がありましたが、今後は全学横断的にこれを推進していくことで、企業・官公庁・他の教育研究機関との連携を強化し、社会の様々な領域におけるアートの新たな価値や役割を増やしていきます。
また、こうした連携を実践する基盤として、芸術未来研究場では次の6つの領域を設定しました。
[ケア・コミュニケーション]
医療、福祉や地域コミュニティをはじめとするWell-beingな社会づくりにおけるアートの社会的価値を探求します。
[アートDX]
デジタル技術やICT技術を活用した教育研究を推進し、アートの可能性を拡げます。
[クリエイティヴアーカイヴ]
多様化する表現手法に対応した、アートの保存・継承と、新たな創造への活用に関する研究を推進します。
[キュレーション]
対話と協働を通してアートと現代社会との関係性を紡ぎ上げる人材の育成と実践研究を行います。
[芸術教育・リベラルアーツ]
東京藝大における教育のあり方を探究しながら、より幅広い対象に芸術教育を拡げ、地域や年齢、社会的属性に関係なく、誰もが自身の人生の中にアートを感じられる社会づくりを推進します。
[アート×ビジネス]
教育研究成果の社会実装・事業化を推進し、芸術産業の創出・発展に寄与します。
これらが互いに領域の枠を超えて混じり合い、芸術と社会の未来を切り拓く新たなプラットフォーム「芸術未来研究場」が、今ここからはじまります。