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特別プロジェクト
「8-3/庭 Bluecarbonkey」SIOME 東京藝術大学×香川大学 せとうち ART&SCIENCE
大学美術館
鍵
・できるだけ物をつくらない
・できるだけ自然に還る素材
・いま在る物事との組合せ
在る物事 : 経験/記憶(影と光)/拾った物/感情/感覚/想像/文字/空間/矛盾
佐渡島滞在の最終日、六日間泊まっていた施設を出る15分前に鍵を失くしてしまった。8-3と
記されたロッカーの鍵。滞在初日に渡されたその鍵は最終日にプロジェクトリーダーのWさんへ返却することになっていて、30分前まで部屋の机の上の目立つところに置いてあった。部屋を出る際、片手で鍵を握ったところまでは確かにあったのに、エントランスでWさんへいざ渡そうとすると……ない。ポケットにもリュックにもキャリーにもない。その場に居合わせた方々も一緒に部屋からのルートを探してくれたのに、鍵は見つからなかった。帰りの車やフェリー、新幹線で、この出来事を不思議に想っていると、ふと、ブルーカーボンキーという言葉が浮かんでくる。以来、ときどき青い鍵が脳裏をよぎっている。ある研究者が「ブルーカーボンはまだ分からないことばかり」と言った時から5ヶ月過ぎようとしている今、六日間の記憶から未来へ何を描けるだろうかと夢をみる。
SIOME 東京藝術大学×香川大学 せとうち ART&SCIENCE:
アートとサイエンスの力で人々の心を豊かにし、社会の未来をかたちづくる。 東京藝術大学と香川大学は、創造力と分析力を融合させることで、複雑な社会課題に新たな視点からアプローチし、心豊かで持続可能な社会の実現を目指しています。 芸術と科学の出会いから生まれる知と感性の共創によって、瀬戸内海から未来を動かします。
協力:Ikekame Saori、carina 、INEIZUMI
泉イネ
旅のように描きながら分野や土地を渡り歩く。近年は服飾装画を描いた45Rシーズンカタログの原画展を工芸青花・Mizuho Oshiro Galery・森岡書店にて開催。2008年から続く制作より『本姉妹の本にまつわる話』を発行(赤々舎)。素描挿画を手がけた星座詩集を冬に刊行予定。
MORE WORKS
ARCHIVE
過去の展示作品を アーカイブとして まとめています。

芸術未来研究場は、人が生きる力であるアートを根幹に据え、人類と地球のあるべき姿を探求するための組織として2023年4月に創設されました。閉じた施設としての「研究所」ではなく、様々なプレイヤーが集い、つながり、社会に開かれたアートを実践し、未来を共につくっていく場だから「研究場」と名付けています。
東京藝術大学は、伝統の継承と新しい表現の創造のための教育研究機関であると同時に、アートの未来を常に考え、様々なステークホルダーと共に社会を形づくる主体でもあります。アートの礎である「いまここにないものをイメージする力」は、世界を変え、未来をつくる力です。これまでにも、学部、学科、研究室単位では様々な学外の組織との協働がありましたが、今後は全学横断的にこれを推進していくことで、企業・官公庁・他の教育研究機関との連携を強化し、社会の様々な領域におけるアートの新たな価値や役割を増やしていきます。
また、こうした連携を実践する基盤として、芸術未来研究場では次の6つの領域を設定しました。
[ケア・コミュニケーション]
医療、福祉や地域コミュニティをはじめとするWell-beingな社会づくりにおけるアートの社会的価値を探求します。
[アートDX]
デジタル技術やICT技術を活用した教育研究を推進し、アートの可能性を拡げます。
[クリエイティヴアーカイヴ]
多様化する表現手法に対応した、アートの保存・継承と、新たな創造への活用に関する研究を推進します。
[キュレーション]
対話と協働を通してアートと現代社会との関係性を紡ぎ上げる人材の育成と実践研究を行います。
[芸術教育・リベラルアーツ]
東京藝大における教育のあり方を探究しながら、より幅広い対象に芸術教育を拡げ、地域や年齢、社会的属性に関係なく、誰もが自身の人生の中にアートを感じられる社会づくりを推進します。
[アート×ビジネス]
教育研究成果の社会実装・事業化を推進し、芸術産業の創出・発展に寄与します。
これらが互いに領域の枠を超えて混じり合い、芸術と社会の未来を切り拓く新たなプラットフォーム「芸術未来研究場」が、今ここからはじまります。







