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特別プロジェクト
「「ReincarnationⅡ」「Buoy Stool」海ごみアップサイクル」 SIOME 東京藝術大学×香川大学 せとうち ART&SCIENCE
大学美術館
本プロジェクトでは、香川県周辺の島々や漁港から集めた「海ごみ」を材料として、立体とスツールを制作した。メインとなる素材は、波の穏やかな瀬戸内海ならではの漁業、養殖業で使われる発泡スチロールブイであり、それを溶剤に溶かして柔らかく形態を変化させた、通称「スチレンもち」を使用。立体作品「ReincarnationⅡ」は展示会場内に人を招き入れるアーチとしての役割を担い、香川県庁にあるスツールの形状を踏襲した「BuoyStool」は、会場内のトークイベント時に聴衆が座るための椅子として機能した。
香川の美しい里海を守るべく海ごみ拾いが盛んに行われている中で、拾い集めたゴミが廃棄するものでは無く、新たに生まれ変わるポテンシャルを持った素材であると、多くの方に認知してもらうことを目的としている。
SIOME 東京藝術大学×香川大学 せとうち ART&SCIENCE:
アートとサイエンスの力で人々の心を豊かにし、社会の未来をかたちづくる。 東京藝術大学と香川大学は、創造力と分析力を融合させることで、複雑な社会課題に新たな視点からアプローチし、心豊かで持続可能な社会の実現を目指しています。 芸術と科学の出会いから生まれる知と感性の共創によって、瀬戸内海から未来を動かします。
谷口茉優
東京藝術大学美術学部建築科卒業、同大学大学院美術研究科建築専攻金田充弘構造計画第一研究室修了。
在学中より、海洋ごみや廃漁網などの廃材を素材としたアップサイクルアートに取り組み、建築構造と芸術表現を融合させた新たな表現手法を探求。
学部卒業制作では、人間の声と空間デザインの関係性をテーマにした作品「聲の建築」で吉村順三賞、平成藝術賞を受賞。
大学院修士制作では、アセトンを用いて発泡スチロールを溶解・再構築する建築的表現に挑戦し、作品「Reincarnation」でサロン・ド・プランタン賞、匠美賞を受賞。
現在、旭ビルウォール株式会社にて建築外装の工事管理に携わりながら、東京藝術大学との共同研究の一環として、アップサイクルアートの社会実装プロジェクトに参画。
協力:香川大学・旭ビルウォール株式会社
MORE WORKS
ARCHIVE
過去の展示作品を アーカイブとして まとめています。

芸術未来研究場は、人が生きる力であるアートを根幹に据え、人類と地球のあるべき姿を探求するための組織として2023年4月に創設されました。閉じた施設としての「研究所」ではなく、様々なプレイヤーが集い、つながり、社会に開かれたアートを実践し、未来を共につくっていく場だから「研究場」と名付けています。
東京藝術大学は、伝統の継承と新しい表現の創造のための教育研究機関であると同時に、アートの未来を常に考え、様々なステークホルダーと共に社会を形づくる主体でもあります。アートの礎である「いまここにないものをイメージする力」は、世界を変え、未来をつくる力です。これまでにも、学部、学科、研究室単位では様々な学外の組織との協働がありましたが、今後は全学横断的にこれを推進していくことで、企業・官公庁・他の教育研究機関との連携を強化し、社会の様々な領域におけるアートの新たな価値や役割を増やしていきます。
また、こうした連携を実践する基盤として、芸術未来研究場では次の6つの領域を設定しました。
[ケア・コミュニケーション]
医療、福祉や地域コミュニティをはじめとするWell-beingな社会づくりにおけるアートの社会的価値を探求します。
[アートDX]
デジタル技術やICT技術を活用した教育研究を推進し、アートの可能性を拡げます。
[クリエイティヴアーカイヴ]
多様化する表現手法に対応した、アートの保存・継承と、新たな創造への活用に関する研究を推進します。
[キュレーション]
対話と協働を通してアートと現代社会との関係性を紡ぎ上げる人材の育成と実践研究を行います。
[芸術教育・リベラルアーツ]
東京藝大における教育のあり方を探究しながら、より幅広い対象に芸術教育を拡げ、地域や年齢、社会的属性に関係なく、誰もが自身の人生の中にアートを感じられる社会づくりを推進します。
[アート×ビジネス]
教育研究成果の社会実装・事業化を推進し、芸術産業の創出・発展に寄与します。
これらが互いに領域の枠を超えて混じり合い、芸術と社会の未来を切り拓く新たなプラットフォーム「芸術未来研究場」が、今ここからはじまります。







